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2017 年度 実績報告書

ケモカインを指標とする胸腺萎縮の分子メカニズムの解析とその法医学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 16H07133
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

川口 敬士  和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (60781284)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード胸腺萎縮 / 児童虐待 / ストレス / サイトカイン / ケモカイン
研究実績の概要

前年度に引き続きストレス誘発胸腺萎縮におけるCCR5の病態生理学的役割について検討を継続した.
実験動物として8から10週齢の雄C57BL/6野生型マウス及びCCR5遺伝子欠損マウスを用い,ストレスモデルとして,マウスを空気穴を開けたファルコンチューブ(50ml)内に無麻酔下で入れ,1時間拘束する処置を3日間(拘束→自由→拘束→自由→拘束)継続した.
CCR5遺伝子欠損マウスにおける胸腺重量の減少は約50%程度までであり,明らかにストレス誘発胸腺萎縮が抑制されていた.さらに,副腎重量においても野生型マウスで有意な副腎重量の増加を認めたが,CCR5遺伝子欠損マウスで副腎重量の増加を認めなかった.さらに,胸腺のアポトーシス細胞数は野生型マウスで増加し,CCR5遺伝子欠損マウスでは澄明な増加を認めなかった.これらのことからCCR5がストレス誘発胸腺萎縮に関与している可能性が示唆された.また,ヒトの胸腺組織においてCCR5の発現を認めた.
一方,他のケモカインレセプターであるCCR1は,CCR5と同じリガンド(CCL3,CCL4,CCL5)に対するレセプターであることから,CCR1遺伝子欠損マウスについても同様にストレスモデルに供したところ,野生型マウスと同程度の胸腺萎縮が認められた.このことはCCR5システムのみがストレス誘発胸腺萎縮に関与している可能性が示唆された.ただし,CCR5にはCCL3,CCL4,CCL5のリガンドがあることから,これらのどのリガンドが主体として胸腺萎縮に関与しているのかについて検討する必要がある.さらに,Fas抗原等のアポトーシス誘導因子の発現についてのCCR5システムの関与を検討する必要がある.
ケモカインであるCCR5システムが,法医学分野においては虐待の補助的診断および虐待期間の推定のための指標となる可能性が示唆された.

現在までの達成度 (段落)

29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Suicide by plastic bag suffocation combined with the mixture of citric acid and baking soda in an adolescent2018

    • 著者名/発表者名
      Murakami K, Kawaguchi T 他11名
    • 雑誌名

      Int J Legal Med

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Immunohistochemical detection of intrathrombotic fibrocytes and its application to thrombus age estimation in murine deep vein thrombosis model2017

    • 著者名/発表者名
      Nosaka M, Kawaguchi T 他5名,
    • 雑誌名

      Int J Legal Med

      巻: 139 ページ: 179-183

    • DOI

      10.1016/j.tox.2015.11.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fatal acute intoxication of accidentally ingested nifedipine in an infant - A case report2017

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto H, Kawaguchi T 他7名
    • 雑誌名

      Leg Med (Tokyo)

      巻: 24 ページ: 12-18

    • DOI

      10.1016/j.legalmed

    • 査読あり
  • [学会発表] The involvement of CCR5 in stress-induced thymic atrophy2018

    • 著者名/発表者名
      Kondo T, Kawaguchi T 他8名,
    • 学会等名
      Annual Meeting of German Society of Legal Medicine

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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