研究課題/領域番号 |
16H07141
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
山口 智治 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80784826)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 家族看護 / DMD / 成人期の課題 / 看護介入 |
研究実績の概要 |
本研究は成人期のDuchenne型筋ジストロフィー療養者を内包する家族が直面する課題と看護支援方法の考案を目的としている. 平成28年度は成人期のDuchenne型筋ジストロフィー療養者を内包する家族が直面する課題について,インタビュー調査によりデータ収集を行うことを目標とした.そのため,文献検討の実施,半構成的インタビューガイドの作成,研究協力者の特定と研究協力依頼を実施し,データ収集のためのインタビュー調査を行う予定であった. 文献検討の結果,医学の発展と治療効果の向上・社会情勢の変化により,Duchenne型筋ジストロフィーの生命予後が改善する一方で,合併症の問題が深刻化していること,それらに伴う介護負担が増大していること,心理的困難が生じていることなどがわかった.またDuchenne型筋ジストロフィー療養者を内包する家族が生活を歩むなかで,家族はDuchenne型筋ジストロフィーの進行に関連する問題や課題のみならず,ライフイベントの影響を受けることで,家族が抱える問題や課題は複雑化していることがわかった.そのため,Duchenne型筋ジストロフィー療養者を内包する家族の半構成的インタビューガイドを作成するにあたり,対象家族の身体的側面,心理的側面,社会的側面から,家族内外でどんな問題や課題が生じるかについてデータ収集が可能となるように半構成的インタビューガイドを検討し作成した. また対象となる研究協力者にアクセスするために,研究協力機関に研究協力の依頼を行い承諾を得た.さらにインタビュー調査を実施するにあたり,所属機関と研究協力機関の研究倫理委員会を受審し,承認を得た. 現在,順次インタビュー調査を実施しており,分析を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュイー1人1人の話から,可能な限り家族全体を捉えることができるようなインタビューガイドを作成するため,文献検討とインタビュー内容の洗練化を集中的に行った.その過程に時間を要したため,インタビュー調査の実施まで進めることができなかった. また,稀有な疾患の研究協力者であり医療ニーズなどへの特別な配慮を要するため,研究対象者への倫理的配慮について,所属機関や研究協力機関の倫理審査を受審した.そのため審査に要する期間が必要となり,インタビュー調査を実施するまでに時間を要した.しかし,所属機関と研究協力機関における研究倫理委員会の承認を得たため,平成29年度よりインタビュー調査を実施できる状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,計画的に研究を遂行していくために,以下の計画を進める. まず今年度の前期では,データ収集と分析を行い,第2段階のインタビューガイドを作成する.現在,研究協力者のリクルートを完了しているが,インタビュー調査のための研究環境を整える必要がある.そのため研究協力機関と研究環境を整えるための手続きを進める.また,インタビュー実施可能な研究協力者からインタビュー調査を通して,順次データ収集を実施し,Duchenne型筋ジストロフィー療養者を内包する家族の個々の家族員が直面した課題を抽出する.家族員個々が捉えた課題を抽出後,家族全体の課題を抽出するためのインタビューガイドを作成する. 後期は,作成したインタビューガイドを使用して研究協力者にグループインタビューを実施する.まず,所属機関や研究協力機関との倫理的手続きを進める.その後,研究協力者にグループインタビューを行い,Duchenne型筋ジストロフィー療養者を内包する家族が直面する家族全体の課題を抽出する.調査結果と家族看護に関連する先行研究や文献を活用し,効果的な看護支援方法の考察を深める. また今年度は最終年度であるため,週に1度,研究の進行を目的とした時間を作り,確実に遂行するように努める.
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