イタリア義務教育の現場では、補完性原理と学校自治にもとづく官民連携が進んでいる。各学校組織がボランティア等の外部主体と連携して教育活動の充実を図る一方で、基礎自治体が第三セクターとの協約で特別支援介入を維持し、EU、州、財団等の企画ないし競争的資金のもとでは各学校組織と第三セクターが協働して新たな教育課題に対応するプロジェクト型の教育改革を試みている。その結果、一つの学校組織が教育活動三か年計画に組み込む外部主体は極めて多様となっている。とはいえ多くの取組みは、継続性、質保証、雇用の面で不安定性ないし不確実性を抱えており、各組織が講じる工夫や個人の意欲と自助努力も無視できない。
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