本研究は障害のあるシリア難民を対象にトルコをフィールドとした研究である。期間中にトルコ国内の治安の悪化などがあったが、シャンルウルファ県と首都のイスタンブールの2カ所で現地調査を実施した。2回の現地調査で20件以上の障害のある難民の自宅を訪問しインタビュー調査を行った。 インタビューの結果から内線が始まってから5年以上が経過した現在でも、医療や教育、就労などの面で様々な困難に直面していることが明らかとなった。また、それらの課題を乗り越えていくには障害の社会モデルを用いつつも公助に頼らない、市民レベルでの人道支援と多様な背景を持つ対象者の個別性に対応しうる専門職の必要性も明らかとなった。
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