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2016 年度 実績報告書

同質的な組織のマネジメント・コントロール:数理モデル分析による研究

研究課題

研究課題/領域番号 16H07173
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

木村 太一  慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 助教 (10779771)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワードマネジメント・コントロール / 信念の異質性 / 分析的会計研究
研究実績の概要

本年度は,信念の異質性を扱った先行的な数理モデル研究について検討し、いかにマネジメント・コントロール領域の数理モデル研究に組み込むかを検討した。経済学領域の先行研究としては,Van den Steenによる一連の研究やKim (2015, Journal of Economic Behavior and Organization),およびFischer and Huddart (2008, American Economic Review)が,管理会計領域の先行研究としては,Alles and Datar (2002, Management Accounting Research) などが挙げられる。
本研究で扱おうとしている数理モデルと特に親和性の高いVan den Steen(2010)やKim(2015)では,何らかのプロジェクトの主観的な確率に影響を与える,たとえば経営環境のような観察不可能な変数について,プリンシパルとエージェントの間で主観的信念が異なると仮定していた。さらに,仮に一方のプレイヤーがもう一方のプレイヤーの主観的信念を観察したとしても,自分の信念こそ正しいのであり,相手の信念は間違っているのだと考え,信念の改訂は行なわれないという仮定も置かれている。こうした仮定の背後は,まったく同じ知性を持った人間でも,同じ事象に対して異なる主観的確率をつけるはずであるという考え方(たとえばHarsanyi 1968)があることがわかった。
これらの先行研究は,マネジメント・コントロール研究でよく用いられる,いわゆるLENモデルを用いていないため,今後はLENモデルにおいてこうした仮定を置くと,どのようなマネジメント・コントロールの設計が最適になるのかを検討する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度中に信念の異質性の表現方法を確定する予定であったが,先行研究の検討に予想以上に時間を要したため,確定には至らなかった。

今後の研究の推進方策

なるべく早い段階で信念の異質性の表現方法を確定させ,具体的なマネジメント・コントロールの文脈での分析に移行する。分析は,マネジメント・コントロール研究に対する含意を意識しながら行なう。

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公開日: 2018-12-17  

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