研究課題
本研究では老化した骨格筋の筋肥大効率が低下する原因に関してリボソーム生合成の変化に着目して研究を行った。0.3年齢、1年齢、2年齢のオス、メスのマウスを対象に腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋を採取した。その結果、オス、メスのマウスの筋では体重で補正した筋重量は0.3年齢>1年齢>2年齢と加齢と共に減少したが、脛骨長で補正した筋重量は0.3年齢, 1年齢>2年齢となっていた。これは加齢と共に脂肪組織量などが増加することで、1年齢のマウスの体重補正した筋重量が過小評価されていると考えられ、真にサルコペニアが観察されるのは2年齢と考えられる。加えて骨格筋研究では体重で補正した筋重量が慣例的に用いられてきたが、脂肪組織量の変化によって影響を受けることから、脛骨長による補正も合わせて評価する必要があることが分かった。骨格筋中のリボソーム量を筋1mg中の18+28S rRNA量で見たところ、2年齢のマウスでは0.3年齢のマウスに比べて有意に低い値を示した。このことから、加齢に伴って骨格筋のリボソーム生合成が低下し、筋中のリボソーム量が低下することで骨格筋の筋肥大効率が低下する可能性が考えられる。加齢に伴うリボソーム生合成低下の原因として加齢に伴うエピジェネティクス的な変化が要因として考えられるため検討したが、今回は明らかにすることができなかった。そこで今後は新たなエピジェネティクス解析の手法を取り入れてさらなる検討を行う必要がある。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Report
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