研究課題
サルコペニアと肥満の両方を併せ持つ状態である「サルコペニア肥満」が、生活習慣病や歩行障害の発症リスクを加速させるが、その限いにゃメカニズムは明らかではない。本研究では、サルコペニア肥満が生活習慣病などの発症リスクを増加させる原因ならびに筋量減少や肥満に対する温熱刺激の有用性を解明することが目的である。昨年度に引き続き本年度も、老齢マウスに高脂肪食を摂取させることでサルコペニア肥満モデルを作製し、温熱刺激がサルコペニア肥満の筋量減少や肥満に及ぼす影響を検討した。19ヵ月齢の雄性マウスを、1)対照(CON)群、2)サルコペニア肥満(HFD)群、3)サルコペニア肥満+温熱刺激(HFD+HS)群に分類した。CONには通常食、HFDとHFD+HSには高脂肪食を与えた。また、HFD+HSには温熱刺激を1回/週、3ヵ月実施した。マウスが24ヵ月齢を迎えた平成30年5月に、各種サンプルを採取し、解析に取り掛かった。体重、下肢骨格筋ならびに白色脂肪組織の重量はHFDとHFD+HS間で有意な変化は認められなかった。しかしながら、HFD+HSはHFDと比較して血中インスリン濃度とHOMA-IRは有意に低値を示し、温熱刺激によるインスリン抵抗性の改善が認められた。また、温熱刺激がサルコペニア肥満に及ぼす影響を網羅的に解析するため、プロテオーム解析による二次元電気泳動を実施した。その結果、HFDと比較してHFD+HSで増加したスポットが10個、減少したスポットが11個発見された。現在、HFD+HSで変化したスポットについて、液体クロマトグラフィータンデム質量分析によりタンパク質を同定する作業を実施している。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine
巻: 7 ページ: 87-93
https://doi.org/10.7600/jpfsm.7.87
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