今年度では、昨年度であった3歳幼児と4歳幼児を対象に、昨年度と同様な測定を実施した。幼児の発育によって、全身各部位の筋厚および皮脂厚の発育量と日常生活における身体活動(量および強度)の増加量との関係性を検討することを目的とした。 結果では、年齢(3歳と4歳)および年度(2016年と2017年)における二限要因の繰り返しの分散分析を用い、身体活動については、男女ともに、平日では年齢の増加に伴い、歩数および中高強度運動時間が有意に増加するのに対して(p<0.05)、休日の身体活動では減少、あるいは横ばいの傾向が認められた。 更に、身体活動と筋厚においてそれぞれ1年間の変化量との関係を検討した結果では、筋厚について、大腿前面中央の筋厚は、週間トータルでの中強度以上の運動時間と有意(p<0.05)な正の相関関係にあった。また、下腿後面の筋厚は、週末の中強度以上の運動時間と有意(p<0.05)な正の相関関係にあった。一方、皮脂厚については、大腿前面中央の皮脂厚は、週末の総運動時間と有意な(p<0.05)負の相関関係にあった。下腿後面外側の皮脂厚は、週間トータルでの中強度以上の運動時間と有意(p<0.05)な負の相関関係にあった。 幼児の身体活動では年中児では平日と休日の差はほぼないことであるが、年長児になってから平日と休日の差が大きくなっていたことが明らかにした。更に、年中時での歩数・運動強度別の運動時間の間だけではなく、年中と年長の項目間の相関から、持ち越し効果があると言える。
|