先行研究で発見した妊娠高血圧症候群(HDP)に対する新規バイオマーカー候補の血中ペプチドのうち、α2-HS-glycoprotein由来のPDA071に対する定量法確立とその有用性評価を検討した。特異抗体が精製困難なこのペプチドは質量分析法を用いた定量が必須だった。我々は血清から熱分離を用いたペプチド抽出法を開発、安定同位体を標準試料に用いた正確性の担保されるLC-MRM/MS測定プロトコルを確立した。これにより臨床多検体濃度測定を可能とした。PDA071単体で病態評価は困難だったが、他のペプチドとの多次元的評価では高精度に病態評価が可能となり、今後のHDP病態評価の一助になるとみられた。
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