胎児期より進行性の中枢神経症状を呈するダウン症などに対しての細胞治療はほとんど報告がない。本研究では胎児細胞移植療法のセルリソースとして脂肪組織由来幹細胞(ADSC)の中枢神経系への有効性を明らかにする事を目的とした。CAG-EGFP Tgマウス鼠蹊部よりGFP陽性ADSCを採取し、子宮内にて胎生14.5 日マウス胎仔の脳室内へ投与したところ、脳室周囲の脳実質内にGFP陽性細胞を認め、長い細胞突起を有する神経細胞様の形態を呈し、神経への分化能を有した。ADSCは胎児の中枢神経系の再生や機能補完に細胞治療の有用なリソースと考える。
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