研究課題/領域番号 |
16H07207
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
氏家 悠太 中央大学, 研究開発機構, 助教 (60781789)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 物体認識 / 音声言語 / 視聴覚統合 / 近赤外分光法 / 発達的変化 |
研究実績の概要 |
本研究では、近赤外分光法(NIRS)を用いて、「物体認識」と「音声言語」の視聴覚統合における脳内機構の定型・非定型の発達を検討することを目的とする。 本年度は乳幼児と成人を対象に、「物体認識」の視聴覚統合の発達の脳内機構を検討した。質感を持つ「物体」の認識は、「木」や「金属」を叩いているときの視覚映像と音が一致することにより成立する。実験では、材質から発せられる音(聴覚情報)とその表面材質(視覚情報)が一致した刺激と不一致の刺激を用いて、刺激観察中の上側頭溝に相当する領域の脳血流量をNIRSにより測定を行った。乳幼児を対象とした実験の結果、6-8ヶ月の乳児では、表面材質とその材質から発せられる音が一致した刺激を観察した際、不一致の刺激と比べ、右側頭における脳血流の有意な増加が見られた。この結果から、右側頭の活動が質感を持つ素材の視覚と聴覚の統合に関与することが示された。現在、同様の手続きを用いて、成人を対象としたデータを取得中である。成人の実験では、NIRSの測定に加え、自閉症指数を測定し、自閉症スペクトラムとの関連を検討している。 成果の公表に関して、今年度は乳児の実験結果の一部を国内学会、多元質感知の班会議や公開フォーラム(質感のつどい)において発表を行った。また、平成29年度の国際学会(Vison Science Society meeting 2017)においても本実験の結果を発表する予定であり、論文化に向けて準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、「物体認識」の視聴覚統合の脳内機構の発達を検討することを目的であり、成人を対象とした実験データは取得中であるものの、概ね計画通りに進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、「音声言語」の視聴覚統合の脳内機構の発達を検討する予定である。次年度に用いる実験刺激の作成も完了しており、実験を開始する環境が整っている。
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