本研究は、これまで在韓日本人コミュニティ研究において注目されてこなかった宗教的コミュニティを対象に、どのような特性を持つ人々が集まり、彼らが韓国人・韓国社会とどのように関わっているのかを明らかにすることで、在韓日本人コミュニティ研究に更なる視点を提供することを目的とした。結果、既存の在韓日本人コミュニティの形成には韓国社会と歴史・社会・政治的経緯が大きく影響していたが、90年代以降、在留資格および居住地の多様化と共に、とりわけキリスト教を基盤とするコミュニティは、韓国人信者や地域住民とも積極的に交流するなど、従来とは異なった開かれたコミュニティとして位置づけられることが明らかになった。
|