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2016 年度 実績報告書

吸血節足動物に対する哺乳類動物の防御行動の神経制御メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 16H07219
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

佐藤 大祐  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00785735)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード昆虫神経科学 / ネッタイシマカ
研究実績の概要

日本脳炎などの病原体は様々な哺乳動物で増幅した後に、蚊によってヒトへと感染する。このように病原体が増幅する哺乳動物は増幅動物と呼ばれ、蚊とヒトの関係性に注目した研究と比べて、増幅動物と蚊の相互作用については不明である。本研究課題では、マウスを増幅動物のモデルとすることで、増幅動物による蚊の認識機構についての研究を目指した。
本年度は、マウスと蚊の行動を同時に検出できるような観察系の構築した。また、吸血効率が著しく低下もしくは上昇することが予想される遺伝子をターゲットとして、CRISPR/Cas9 システムを用いてドナーベクターをノックインすることで蚊の変異体の作出を試みた。デング熱やジカ熱の病検体を媒介するネッタイシマカはその卵を乾燥させることで系統の維持が可能であるため、蚊の中でもトランスジェニックの作製に向いている。このことからネッタイシマカをモデルとし、変異体の作製を行っている。この目的で、左右に 1kb の相同組換えのためのアームをもつ複数のドナーベクタープラスミドを構築した。行動アッセイを行う上で、ネッタイシマカを生かしたままその遺伝子型を判明することが必須となる。このために、ドナーベクターにはネッタイシマカの目で蛍光タンパク質 DsRed を発現するマーカーが挿入した。変異体の作製に向けて、ネッタイシマカ卵にこのプラスミドおよび sgRNA、Cas9 タンパク質の微量注入を行っている。微量注入された個体から DsRed の蛍光が観察されたことから、微量注入実験自体は成功していると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トランスジェニックネッタイシマカの作製に必須な方法を確立することができた。実験を続けることで変異体を作出することで、本研究課題の目的であるマウスとネッタイシマカの相互作用に言及できることが期待できる。

今後の研究の推進方策

2016年度に作製したツールおよび確立した技術を用いて、ネッタイシマカの変異体を作製する。その変異体を用いることで、マウスがネッタイシマカの行動パターンに対してどのように応答するのかを調べる。具体的には、ネッタイシマカの野生型もしくは変異体をマウスの存在する密閉されたケージ内に放ち、マウスとネッタイシマカの行動を記録する。

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公開日: 2018-01-16  

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