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2016 年度 実績報告書

「見守る」 しつけと児童期の子どもの他者理解,感情制御の発達

研究課題

研究課題/領域番号 16H07222
研究機関東京女子大学

研究代表者

風間 みどり  東京女子大学, 人間科学研究科, 研究員 (40780812)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード子どもの感情制御 / 生理的ストレス反応 / 内在化問題行動 / 攻撃行動 / 親の養育態度 / 子どもの他者理解 / 子どもの気質
研究実績の概要

本研究は、「見守る」しつけなど親の養育態度と児童期の子どもの他者理解、感情制御の発達との関連について、心理的要因、社会的要因、生理的要因から縦断的分析から検討することを目的とした。平成28年度の研究では、児童期の攻撃行動と内在化問題行動の予測因について、幼児期の気質、チャレンジ課題における生理的ストレス反応、児童期の子どもの気質、幼児期の親の養育態度から縦断的検討を行った。研究対象者は、都内の子どもとその親28組(幼児期:4歳4ヶ月, SD=4.4, 児童期: 8歳5ヶ月, SD=5.7)である。
その結果、児童期の子どもの気質の衝動性が高いと児童期の子どもの攻撃行動の得点が高く,チャレンジ課題における幼児期の子どもの生理的ストレス反応が大きいと児童期の子どもの攻撃行動の得点が高い傾向が示された。さらに幼児期に親の見守るしつけが高いと,児童期の子どもの攻撃行動の得点が低くなる傾向が示された。このことから,幼児期の親の見守るしつけは,児童期の子どもの発達にとって,必ずしもネガティブな意味をもつものではないことが示唆された。
また、チャレンジ課題における幼児期の生理的ストレス反応が大きいと,児童期の内在化問題行動の得点が高いことが示された。さらに幼児期の親の気持ちに誘導するしつけが多いと,児童期の子どもの内在化問題行動の得点は低い傾向であること,親が子どもの人柄を悪く言うようなネガティブなしつけが多いと,児童期の内在化問題行動の得点が高い傾向であることが示された。幼児期の気質の抑制的制御および接近・期待が高いと児童期の内在化問題行動の得点は低いこと,幼児期の気質の知覚過敏が高いと児童期の内在化問題行動の得点が高い傾向であることが示された。今後は、認知能力を含めて、児童期後期までの縦断的分析を行い、子どもの他者理解、感情制御の発達を心理・生理・社会的要因から統合的に検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

チャレンジ課題における児童期の子どもの生理的ストレス反応を検討するために、唾液採取を行い、コルチゾール分泌量を測定するのに際し、採取した唾液量が少なく、コルチゾール分泌量分析には不十分であるケースがあったため、追加で研究参加者を募集し、新たに実験を行う必要が生じたため。

今後の研究の推進方策

追加実験を実施後、チャレンジ課題における児童期後期のコルチゾール分泌量を測定し、他の実験課題や質問紙調査のデータと合わせてデータを解析する。その上で、幼児期(4歳)、児童期前期(8歳)、児童期後期(11‐12歳)までについて縦断的に分析し、子どもの他者理解と感情制御の発達について、親の養育態度、子ども気質、認知能力、生理的ストレス反応との関連について、複層的な検討を行っていく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 感情制御場面のコルチゾール分泌量と心理的要因の文化差ー日米中データからの検討2017

    • 著者名/発表者名
      風間みどり・平林秀美・Tardif Twaila・Wang Li・唐澤真弓
    • 学会等名
      日本発達心理学会第28回大会
  • [学会発表] ERPからみた日本の子どもの心の理論の発達ー日米比較研究による探索的検討ー2017

    • 著者名/発表者名
      上窪綾・風間みどり・唐澤真弓・平林秀美
    • 学会等名
      日本発達心理学会第28回大会
  • [学会発表] 見守るとしつけと子どもの感情制御ー縦断研究からの検討ー2017

    • 著者名/発表者名
      風間みどり・平林秀美・唐澤真弓
    • 学会等名
      日本教育心理学会第59回総会
  • [学会発表] 児童期の内在化問題行動の予測因ー幼児期の生理的ストレス反応と親のしつけの縦断的データによる検討ー2017

    • 著者名/発表者名
      風間みどり・平林秀美・唐澤真弓
    • 学会等名
      日本社会心理学会第58回大会

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公開日: 2018-12-17  

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