本研究の目的は、臨床において、看護師が患者に対して実施した”気持ちいい”看護技術(特に足浴や温罨法などの温熱を用いたケア)の効果をモデル化し、これまで言語化、可視化されてこなかった気持ちいい看護の効果を数値化可能なツールを作成することである。 H28年度は、温熱を用いた看護技術の効果に関する実験研究や、臨床での実証研究などからなる先行研究で得られた結果をもとに温かくて気持ちいい(warm and comfortable:以下wacomとする)ケア評価表(試案)を作成した。 当該評価表は、臨床看護師に対するアンケート調査において使用する。病棟で、ケアの実施後に、自分の看護技術を自己評価してもらうための評価表である。1回の看護技術の実施毎に評価表を記入し、合計2回の協力を得るように研究計画を立案する。 調査票の内容は、看護師が、ケアを実施した患者の「プライマリーナースか否か」に関する問い、そして実施した「ケアの内容」の選択肢と、「①患者の反応」「②患者―看護師の関係性」「③看護師の感情」を問う内容についての11項目のリッカートスケールで構成される。 評価表の妥当性を確認するために、4名の臨床看護師にwacomケア評価表(試案)についてプレテスト(内容妥当性の評価)を行った。プレテストの協力者である看護師には謝礼を支払った。 現在は、プレテスト結果を反映させたwacomケア評価表(修正版)を作成中である。主に、質問項目の理解しにくい表現を修正した。
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