本研究では,データレートが有限な通信路を用いたネットワーク化制御系を対象に,通信制約を考慮した安定化可能条件の導出に取り組んだ.通信パケットに含まれる情報のうち,ペイロード部に格納される制御対象の状態に関する情報に加えて,ヘッダ部等に記録される時刻情報(タイムスタンプ)を用いた制御手法について検討した.この手法において誤差の原因となる不確かさとして,時刻同期誤差とモデルのパラメータの不確かさを取り上げ,安定化可能な制御器が存在するために必要または十分な条件を導出し,安定化のために許容可能な不確かさの大きさを明らかにした.
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