甕棺葬を特徴とするベトナム中部のサーフィン文化の起源を探るべく、指標遺跡が所在するクアンガイ省での先サーフィン段階とされる遺物と起源に影響を与えたとされるバウチョー文化の遺物の観察と実測を行った。その結果、今まで確認できていた3系統の甕棺とは別の系統の甕棺が存在することが明らかになった。また、バウチョー文化の土器には、サーフィン文化との類似性を示唆する要素が少なく、むしろ差異性が顕著であることがわかった。以上より、ベトナムのサーフィン文化は中部中域の新石器時代を基礎としており、他の地域から影響を受けて成立した可能性は考えられにくいという結論に至った。
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