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2016 年度 実績報告書

予防をめぐる規制の政治過程:環境リスク規制の比較分析

研究課題

研究課題/領域番号 16H07277
研究機関早稲田大学

研究代表者

早川 有紀  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 助教 (20775853)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード環境リスク / 規制政策 / 政治制度 / 規制行政 / 日本 / ヨーロッパ / 化学物質
研究実績の概要

本研究の目的は、日本とヨーロッパの環境リスク規制を比較分析することで、規制内容に影響を与える要因を多角的に分析することである。環境リスク規制とは、環境や健康への悪影響が懸念されるものの科学的根拠が必ずしも明らかではない段階で問題をもたらしうる物質をどのように規制するか、という問題である。先行研究ではこれまで利益や政策アイディアが重要な役割を持つと理解されてきたが、本研究では政治制度が規制主体の権限に与える影響に着目して研究を進める。そして、政治制度が規制内容に影響を与えるメカニズムを、日本とヨーロッパにおける大気汚染や化学物質規制といった複数の環境リスク規制政策の事例間比較分析を通じて明らかにしようとするものである。
H28年度は、理論面・実証面を中心に分析を進めた。政治制度が規制主体の権限に影響を与えるメカニズムについては、文献調査を中心に進めた。またこの成果については、日本公共政策学会研究大会およびEAAERE第6回大会で報告を行い、フィードバックを得ることに成功した。また実証面では、日本の自動車排気ガス規制の事例について主に環境庁に関する資料収集を行った。同時に、EUの自動車排ガス規制の事例についてブリュッセルでインタビュー調査および総局がもつアーカイブ資料の収集を行った。また、この結果も踏まえて、今まで行った化学物質規制の政策過程分析を中心にH29年度に行う予定の学会報告や書籍化といった公表準備を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論面での文献調査はおおむね順調に進んでいる。一方、実証面でのフィールドワークではインタビュー計画で変更があったため、資料収集を中心に進めてきた。インタビューについては今年度に中心的に取り組み、海外再調査においても追加の資料収集・インタビュー調査を行う予定である。比較事例分析はフィールドワークの進捗に合わせて進めており、この成果はH29年度で公表する準備を進めている。

今後の研究の推進方策

H29年度は本研究課題の最終年度にあたるため、追加の調査を行うと同時に研究成果を広く公表できるように努める。追加調査については、日本およびブリュッセルで6月から9月に行うことが予定されている。前年度までの成果は、H29年度前半に日本行政学会およびEUSAAPといった学会や研究会での報告が予定されている。また、論文だけでなく書籍としての出版が予定されている。各報告でフィードバックを得ることで、よりよい内容になるよう努めたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 書評:村上裕一『技術基準と官僚制:変容する規制空間の中で』2017

    • 著者名/発表者名
      早川有紀
    • 雑誌名

      年報行政研究

      巻: 52 ページ: 145-148

  • [雑誌論文] リーダーの権力はどのように決まるのかー執政制度2016

    • 著者名/発表者名
      早川有紀
    • 雑誌名

      政治学入門(木寺元編著)(弘文堂)

      巻: - ページ: 95-111

  • [学会発表] 規制主体をめぐる制度配置が規制内容に与える影響 ―日欧における環境リスク規制の事例から2017

    • 著者名/発表者名
      早川有紀
    • 学会等名
      日本行政学会
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2017-05-28

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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