研究課題/領域番号 |
16H07300
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研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
氏原 将奈 東京医療保健大学, 医療保健学部, 助教 (80783646)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 自殺未遂 / 保健師 / 支援 / 公衆衛生 / 地域看護 |
研究実績の概要 |
国内での行政による自殺未遂者支援に関する現況を概観するため、検索エンジンを活用した事業報告の検索、医学中央雑誌をデータベースに「自殺未遂」「行政」で検索した。続いて行政保健師による自殺未遂者支援に関する研究の動向を概観するため、「保健師」「自殺未遂」で検索した。行政保健師の支援に焦点をあてた報告は1件のみであり、救急医療機関と連携したタイムリーな支援を行うこと、保健師が抱え込まないような体制を確保することの重要性が言及されていた。 しかしながら、保健師の自殺未遂者に対する支援におけるアセスメントや判断、支援プロセスなど、具体的に言及している研究は不十分である現状が伺えた。そこで、それらが詳細に引き出せるよう、既存の事業報告等を参照しながらインタビューガイドの作成を行った。具体的には行政保健師に1ケースを想起してもらい、どこからどのようにケースにアクセスしたか(電話、訪問などの初回の手段等)、情報提供先とはどのような連携をしたか、ケースに必要な支援をどのように判断したか、どのような順序でどこ(誰)にどのように働きかけたか、フォローの頻度や支援終了の判断はどのようにしているか等、支援プロセスに沿って丁寧に情報収集できるよう配慮して作成した。平成29年度は、収集したデータを基に質的記述的に分析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の目標は国内の自殺未遂者支援事業に関する動向を把握することであった。文献検討に時間を要したこと、研究者のエフォートの変化などから十分な検討を行うには時間を要した。行政保健師へのインタビュー調査のためのガイド作成、倫理審査書類作成は完了し、次年度に向けた準備は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、研究者の所属機関での倫理審査申請中であり、審査通過後に研究対象者へのインタビュー調査を開始する。研究対象者は自殺未遂者支援に特化した事業を展開する自治体の行政保健師であり、事例を想起してもらいながら自殺未遂者への専門的支援を明確化できるようなインタビューを行う予定である。また、分析の過程で多角的な情報補完のため、行政と連携している救急医療機関や精神科看護師へのインタビューを行う可能性がある。
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