研究課題
脳性麻痺児において運動発達を促すための筋骨格系の要因を明らかにすることは重要な課題であり、早期のリハビリテーション介入が求められている。本研究では、CTやMRIと比較して可搬性に優れ安価であり、非侵襲的に筋の撮像が可能である超音波画像診断装置を使用する。超音波画像診断装置を使用することによって、脳性麻痺児の体幹・下肢筋を個別の筋に分けた上で、筋量のみならず筋内の脂肪組織や結合組織といった非収縮組織も合わせて評価することが可能である。本研究の目的は、脳性麻痺児の運動発達を促す体幹・下肢筋の筋機能を解明するために、体幹・下肢筋の筋量および筋内非収縮組織と座位能力、移動能力、総合的な運動能力、日常生活動作との関連について、横断および縦断的に分析することである。上述した目的を達成するために、平成28年度に引き続き、平成29年度にて肢体不自由児・重症心身障害児施設に所属の脳性麻痺児31名を対象として、運動障害の重症度、超音波画像診断装置を使用した体幹・下肢筋の筋量および筋内非収縮組織、関節可動域、痙性、座位能力、移動能力、総合的な運動能力、日常生活動作について測定した。具体的な測定方法として、超音波画像診断装置による測定では体幹の胸・腰部脊柱起立筋、腰部多裂筋、腹直筋、外・内腹斜筋、腹横筋、下肢の大殿筋、中殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋、下腿三頭筋における筋厚および筋輝度を測定した。筋厚は筋の量的状態(筋量)、筋輝度は筋の質的状態(筋内非収縮組織)を表す。今後はデータ解析を進め、学会発表や論文投稿を行っていく。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Clin Biomech (Bristol, Avon)
巻: 49 ページ: 128-133
10.1016/j.clinbiomech.2017.09.008.