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2016 年度 実績報告書

性器クラミジアIII型分泌エフェクターの効率的発現システム構築と病態形成機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 16H07312
研究機関東海学院大学

研究代表者

山崎 智拡  東海学院大学, 健康福祉学部, 講師(移行) (10784829)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード性器クラミジア / パラクラミジア / ブレビバチルス発現システム
研究実績の概要

Chlamydia trachomatis(以下、性器クラミジア)は性感染症の主要な原因菌としてわが国だけでなく、世界的な問題となっている。これまでクラミジアの研究といえば、クラミジアが持つ偏性細胞内寄生性という特異な性質のために、細胞内生存様式や細胞修飾機構に対する研究が主体であった。しかしながら、クラミジアの病態形成機構をより詳細に把握するためには、クラミジアの持つタンパク質の作用や機能を明らかにすることが必要となると考えられる。しかしながら、クラミジアのタンパク質研究はそこまで進んでおらず、大腸菌による発現系では十分に目的タンパク質を得ることが困難であった。そこで、本研究では、クラミジアのタンパク質発現系を、従来の大腸菌を用いた発現システムではなく、Brevibacillus分泌発現システムにより導入し、効率的なクラミジアタンパク質の発現系を確立するために研究を進めている。
まず、クラミジアの機能がある程度明らかになっているタンパク質をBrevibacillus Expression System II(Takara-bio)を用いて導入・発現させる。そのために、性器クラミジアの近縁種で取り扱いが容易であるParachlamydia acanthamoeba(以下、パラクラミジア)を用いて、Brevibacillus分泌発現システムへの導入をさせるべく実験を進めてきた。しかしながら、未だパラクラミジアのBrevibacillus分泌発現システムへの導入は成功していない。今現在は、パラクラミジアのタンパク質のBrevibacillus分泌発現システムにおけるタンパク質導入・発現条件を検討しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度は、クラミジアの機能既知タンパク質をBrevibacillus Expression System II(Takara-bio)を用いて導入・発現させるための前実験として、まず初めに取り扱いが性器クラミジアに比べてはるかに容易であり、性器クラミジアの近縁種で、過去の研究でも使用してきた環境クラミジアParachlamydia acanthamoeba(パラクラミジア)の既知タンパク質のBrevibacillusを用いた発現系への導入を検討してきた。しかしながら、現時点でパラクラミジアのタンパク質の発現系の確立には至っていない。現在の研究状況としては、Brevibacillus分泌発現システムの取り扱いを、いくつかのパラクラミジアタンパク質で検討しているところである。また、Brevibacillus分泌発現システムにおけるタンパク質導入・発現条件をBrevibacillusの培養条件やプラスミドの作成条件などを検討しているところである。

今後の研究の推進方策

今後の研究としては、まず初めにBrevibacillus分泌発現システムの培養条件の最適化のために、パラクラミジアの機能既知なタンパク質を新規に選択し、培養条件やタンパク質発現条件の検討をしていく。
十分なBrevibacillus分泌発現システムの利用が可能となれば、パラクラミジアの機能未知なIII型分泌装置エフェクター候補タンパク質で発現実験を行い、対象のタンパク質の取得を目指す。エフェクター候補タンパク質が得られたら、パラクラミジア宿主であるアメーバと、性器クラミジアの宿主細胞となるヒト上皮系細胞への影響を検討する。また、同時に、対象のタンパク質が性器クラミジア遺伝子上に存在するかを検討する。
また、現在までの状況として、Brevibacillus分泌発現システムのクラミジアタンパク質への応用が十分に可能ということはいえないので、大腸菌を用いた分泌発現システムの条件検討も併せて行い、クラミジアタンパク質の実験に使用可能なレベルでの効率的な発現を目指す。

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公開日: 2018-01-16  

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