本研究の主たる目的は「未開拓な銀河系バルジ方向のセファイドの金属量を導出し、バルジの星形成史を求めること」である。そのためには標準的な天体の観測から、セファイドの化学組成解析方法を確立することと、実際に銀河系バルジ方向に位置するセファイドの高分散分光観測を行う必要がある。研究代表者は共同研究者とともに近赤外線高分散分光器「WINERED」の観測データを主に用いて、恒星の有効温度の決定方法やモンテカルロ法を用いた金属量導出方法を確立した。WINEREDは大口径の望遠鏡への移設が予定されており、バルジ領域の天体の観測により適した環境が整う見込みである。
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