抗がん剤誘発性味覚障害の発現メカニズムは不明であり、それに基づく有効な治療法はない。本研究は、味覚障害が報告されているプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブの味覚障害発現プロファイルをを解明することを目的とした。ボルテゾミブ投与マウスを用いた行動学的試験により、ボルテゾミブは酸味感受性を増大させることが示された。それに対して酸味受容に関わる分子の一つであるPKD2L1のタンパク質レベルでの発現量の増大が関与することが示唆された。本研究成果は、抗がん剤誘発性味覚障害の病態解明に資するものであると考えられる。
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