研究成果の概要 |
本研究では,認知段階における反応時間の結果の一部にポジティビティ・エフェクトが示されたものの,判断の段階では,若年者と同様にネガティビティ・バイアスの効果が示された。したがって,高齢者におけるポジティビティ・エフェクトは認知段階で生じることが明らかにされた。また,前頭葉の脳活動の点からは,ネガティブ刺激に対して,血流量が増加していた。偏桃体を含む大脳辺縁系で生じた不快感情を前頭前野を活性化させることで抑制することができる (Ochsner, et al., 2002)。したがって,ポジティビティ・エフェクトは高齢者にとって不快感情を抑制することによって生じることが示された。
|