本研究は、1960~70年代戦後日本文学と解放後コリア文学における冷戦(南北分断)体制批判および脱植民地主義の比較文学・思想史研究である。植民地朝鮮生まれの小説家小林勝の総合的研究を中心に研究を進め、戦後日本文学研究史における盲点としての植民者文学の重要性を提起した。 「日本と朝鮮の旧「皇国少年」たちは戦後/解放後どのように出会うのか」というテーマのもと、1920~30年代に日本帝国の各地で生まれ、帝国崩壊後に多様な経験をした日本と朝鮮の文学者たち(後藤明生、李浩哲、李恢成)の戦後/解放後の接触に着目し、彼らのポストコロニアルテキストの比較分析をおこなった。
|