研究課題
1.出生体重1500g未満の早産低出生体重児(以下、VLBWI)の視覚情報処理能力と学習能力の評価として、本年度は、大阪医科大学附属病院にくわえ、研究協力施設である済生会吹田病院で出生した、3~4歳時の新版K式検査でDQ80以上を確認した小学校1~6年生23名に検査を行った。検査は、WISC-Ⅳ、Wide-range Assessment of Vision-related Essential Skills(WAVES)、単音・単語・単文音読検査および算数課題(稲垣, 2010)、小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)、包括的領域別読み能力検査(CARD)、視覚性注意課題(CPT)を行った。今年度対象した23名には、読み障害と診断されるものはいなかったが、算数課題では解答に時間を要する児が多く認められた。2.前年度の対象も含め、さらに今回のWISC-Ⅳ検査でFSIQ 80以上の43名を対象とし、読み障害を持つ群(Dys群)と持たない群(N-Dys群)では、WAVESで有意差を認める項目が散見された。このことは、VLBWIの読み障害には視覚情報処理機能の関与が考えられる。ただ、今回の検討では、読み障害の主たる原因を言われている音韻障害についての検討が不十分であり、今後の検討が必要である。また、視覚情報処理機能がどのように読み障害に関与しているかについても追加検査を加えて検討していく方針である。3.VLBWIでの読み障害に関する、注意機能の関与を検討したが、今回の検討では有意な相関は得られなかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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