研究課題
前年度に引き続き、GLUT1、LDHAの発現を胃癌臨床検体を用いて解析した。更にTCGAなどのデータセットを用いてmRNAの発現を解析し数種のデータセットで胃がん組織における、両遺伝子の発現が亢進していることが明らかになった。またMIR34aはLDHAを直接標的とすることが、ルシフェラーゼレポーターアッセイ、及びMIR34aの阻害剤併用実験で示された。GLUT1の発現調節機構に関してはsiRNA-c-Myc及びMYC阻害剤を用いてGLUT1の蛋白発現が抑制された。そこで、c-Mycの転写因子としての機能を解析したがmRNAレベルでのGLUT1の発現は十分に抑制されなかった。GLUT1の発現調節として、MIR148aを検討したが有意な上昇は認められなかった。一方、機能的実験としてMIR34aを導入した際のラクテート産生量、グルコース産生量を測定し、MIR34aの導入により両産生量が有意に減少することが明らかとなった。オートファジー阻害剤である3-MAを併用し細胞死との関連を検証したが、MIR34aによるオートファジーの誘導が激しく十分な結果を得られなかった。今後、GLUT1の制御機構の解析を中心に研究を継続し、成果をまとめる予定である。また副次的に、RNAヘリケースDDX6がMIR34aの標的遺伝子で、Warburg効果に深く関与するc-Mycの発現を胃癌で促進的に調節していることが明らかとなったため、結果をまとめ報告した。更に臓器特異的に偏在している、MIR137、206がPTBP1を直接標的としPKM isoformを調節すること、MIR122が直接PKM2を調節することが判明したため結果を報告した。MIR34aは脳に豊富に分布しているmiRNAであるため、これらの事象は非常に重要な所見である。今後更に検証を重ね、miRNAのWarbugr効果における位置付けを解明する。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular Carcinogenesis
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