研究課題/領域番号 |
16H07360
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
稲垣 範子 摂南大学, 看護学部, 助教 (90782714)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | クリティカルケア / 鎮痛管理 / 鎮静管理 / 看護師の困難感 / 看護師の教育ニーズ |
研究実績の概要 |
本研究は、クリティカルケア領域での鎮痛・鎮静管理において看護師が抱える困難感と教育ニーズを明らかにし、クリティカルケア看護師のための教育体制の整備につなげることを目的としている。平成28年度は、①インタビューガイドの作成、②研究対象者の選定、③半構成的面接調査の実施、④鎮静薬の安全管理に関するセミナーへの参加を実施した。 ①インタビューガイドの作成:調査内容は、先行研究を参考に、痛みや不快の状態のアセスメントの難しさ、鎮痛・鎮静管理における包括指示遂行上の困難感、鎮痛・鎮静管理を行う上で看護師に必要な教育などを聞きだせるようにインタビューガイドを作成した。作成したインタビューガイドは、クリティカルケア領域の豊富な臨床経験を持つ看護師にプレテストを行い、文言表現等の調整を行い完成させた。 ②研究対象者の選定:鎮痛・鎮静薬投与の指示や看護師裁量は施設による違いが大きいと推測されることから、急性・重症患者看護専門看護師、集中ケア認定看護師などの協力を得て、複数の病院から対象を選定した。鎮痛・鎮静管理についての経験や学習量に差がないように、認定看護師、専門看護師、特定行為研修受講者は除外した。4病院から研究参加の同意を得て、研究対象者へ面接調査を依頼し同意を得た。 ③半構成的面接調査:①で作成したインタビューガイドに沿って30分程度の半構成的面接調査を実施した。対象者によって、クリティカルケアユニットの収容患者層や鎮痛・鎮静の管理方法も異なっており、困難と認識している内容も様々であった。4施設計8名からの面接を終え、面接データが飽和したと考え、面接調査を終了した。 ④鎮静薬の安全管理に関するセミナー:麻酔科以外の医療者向けの安全な鎮静の施行と危機管理を学ぶセミナーに参加し、鎮静・鎮痛薬を投与するにあたって必要な教育内容、教育方法に関する知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、当初の計画通り、インタビューガイドの作成、研究対象者の選定を行い、半構成的面接調査を平成29年3月までに終えることができた。急性・重症患者看護専門看護師、集中ケア認定看護師などの協力を得て、複数の病院から対象を選定したことで、鎮痛・鎮静管理における困難感、教育ニーズについて様々な視点からの意見を聴きだすことができた。面接調査から逐語録を作成し、得られたデータから、鎮痛・鎮静管理における困難感、教育ニーズを表現していると考えられる部分を抽出、コード化、分類して質的、記述的に分析を進めることができており、全体の研究経過としてはおおむね順調に進展していると考える。 平成29年度は、得られたデータの分析を研究協力者とともに進め、国内外の学会や学術論文に取りまとめて成果発表を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、得られたデータから、①クリティカルケア領域での鎮痛・鎮静管理において看護師が抱える困難感、②鎮痛・鎮静管理についての看護師の教育ニーズについて研究結果をまとめて、国内外の学会発表や、学術論文に取りまとめて国内外に研究成果を発信していく予定である。
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