本研究は、クリティカルケア領域での鎮痛・鎮静管理において看護師が抱える困難感と教育ニーズを明らかにし、クリティカルケア看護師のための教育体制の整備につなげることを目的としている。平成29年度は、①研究結果の分析、②研究結果の学会発表、③研究結果の論文投稿準備を実施した。 ①研究結果の分析:今年度までに作成した8名の研究参加者のインタビューの逐語録から、質的に分析を行った。具体的には、鎮痛・鎮静管理においてクリティカルケア看護師が抱える困難感と教育ニーズについて表現している内容を抽出し、意味内容を損なわないように要約し、コードとした。類似したコードを集めサブカテゴリーとし、サブカテゴリーを内容別に比較し、意味内容の類似するものにまとめてカテゴリーに分類した。分析の過程において、質的研究の経験のある研究者にスーパービジョンを受け、真実性・妥当性の確保に努めた。困難感としては【訴えることが難しい重症患者の苦痛の解釈】など9カテゴリーが、教育ニーズとしては、【鎮痛・鎮静・せん妄管理の最新情報】など10カテゴリーが抽出された。 ②研究結果の学会発表:第37回日本看護科学学会学術集会(仙台)にて、「クリティカルケア領域での鎮痛・鎮静管理において看護師が抱える困難感」について発表し、第21回東アジア看護フォーラム・第11回国際看護学会(Seoul)にて、「日本のクリティカルケア看護師の鎮痛・鎮静管理における教育ニーズ」について発表した。 ③研究結果の論文投稿準備:看護師が抱える困難感と教育ニーズとしてそれぞれ研究発表した内容を推敲し、日本クリティカルケア看護学会誌への投稿論文を準備している。
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