本研究は、平和構築における地域社会の貢献を、地方農村部に焦点を当てたものである。特に、平和構築の対象となる、紛争の影響を受けた社会を、研究対象としている。具体的な研究対象として、アフガニスタン・イスラム共和国を対象として選定し、首都カーブル北方に位置する地方農村部に着目した。同地域は、1979年以降からの内戦期に、非常に激しい戦闘が行われた地域である。王政から共和制そして革命へと続く政治的混乱や内戦の中であっても、国民の大多数が居住する地方農村部の生活は継続されていた。本研究では、このような紛争の影響下に置かれていた地方農村部の生活継続に大きな役割を担った地域社会と人々の認識を探った。
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