本研究の目的は、多様な組織間においてどのようなタイプの信頼が実践共同体の構築ならびに発展にとってドライバーとなり、その結果として社会イノベーションの普及へと繋がっているのか、そのメカニズムを明らかにすることである。この目的を達成するために、先行研究の整理、インタビュー調査、参与観察、アンケート調査を実施した。研究対象は、民間企業によって生み出された社会イノベーションで、普及が進んでいると考えられる代表的事例である。質的分析の結果、組織間の認知的信頼と情動的信頼の相互作用が実践共同体の構築・発展に貢献し、社会イノベーションの普及を促進することが明らかとなった。
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