今日のフリースクールの制度化を問題意識の前提に、フリースクールや不登校生支援のあり方を根本から考察するために、日本におけるフリースクール創設期を主たる研究対象とした。フリースクールに対する期待は大きいが、共通の理念がないままに曖昧に「フリースクール」という語が濫用されてきた。同様に、不登校生支援も拡充されてきたが、共通の理念は形成されないまま現在に至っている。完全な一致は不可能であるとしても、学校に行っていない子どもたちにとって真に望ましい支援のためには、当事者の視点に立った理念の共有が必要となる。
|