本研究の目的は,公的機関による立ち直り支援に着目して,非行少年の立ち直りプロセスを継時的に明らかにすることである。そのため,(1)非行経験者に対する追跡調査。(2)少年処遇に携わる支援者に対するインタビュー調査を中心として行い,台湾との比較も試みた。 本研究を通して得られた知見は,以下の2点に集約される。1点は,非行経験者にとって,スティグマ付与の経験とその対処行動が非行からの「立ち直り」において重要な解釈資源になりうるということである。もう1点は,台湾では,学校における問題行動対応は,日本と異なり,輔導教師を中心とする組織の在り方で対応していることである。
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