研究課題/領域番号 |
16H07388
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
藤田 隆寛 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 医員 (30781421)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | MAGP-1 / Fibrillin-1 / EMILIN-1 / 口蓋線維芽細胞 / 細胞伸展培養 / TGF-β / SMAD-2/3 / 1型コラーゲン |
研究実績の概要 |
In vitro研究では、ICRマウスから分離培養した口蓋の線維芽細胞と、ヒト胎児由来の肺線維芽細胞IMR-90を使用し、細胞伸展装置専用Ⅳ型コラーゲンコートチャンバーにてα-MEMで通常培養に成功した。細胞伸展装置STB-140にて、伸展至適条件(伸展率…5%、周期…60秒、期間:1週間)にて細胞伸展培養に成功した。微細線維成分分析では、微細線維成分MAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1 mRNA・タンパクが細胞伸展によって増大することを、リアルタイムPCR、ELISA、ウエスタンブロッティングで見出した。これらは培養物において、複合体として共存していたため、免疫染色で共染された。また、ImageJによる蛍光免疫染色の定量的配列規則性評価では、規則的配列の増生はMAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1によって促進されること、TGF-βの培養上清および細胞における存在はMAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1の増生を阻害すること、またSMAD-2/3の細胞質から核内への移行と、核内SMAD-2/3のリン酸化を確認することができた。MAGP-1阻害実験では、抗MAGP-1抗体(Abcam, BD Biosciences)添加で伸展培養した細胞について、MAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1 mRNA・タンパクが抗体濃度依存性に阻害されることをリアルタイムPCR、ELISA、ウエスタンブロッティングで見出した。規則的配列の増生はMAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1に対する特異抗体によって抑制されること、さらに、抗MAGP-1抗体未投与下ではTGF-βが培養上清に検出されないこと、細胞のSMAD-2/3リン酸化とⅠ・Ⅲ型コラーゲン産生が抑制されていることを証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vitro研究では、ICRマウス口蓋線維芽細胞ヒト胎児肺線維芽細胞IMR-90を使用し、細胞伸展装置専用Ⅳ型コラーゲンコートチャンバーにてα-MEMで通常培養に成功した。STB-140にて、伸展至適条件(伸展率…5%、周期…60秒、期間:1週間)にて細胞伸展培養に成功した。微細線維成分分析では、微細線維成分MAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1 mRNA発現量をリアルタイムPCRで(プライマー設計済)、またタンパク発現量を特異抗体にてELISAおよびウェスタンブロットにて分析した。また、配列規則性を免疫染色と染色領域のスキャン・ImageJ(National Institutes of Health, Bethesda, MD)による面積定量によって評価した。TGF-βの培養上清および細胞における存在、また細胞のSMAD-2/3リン酸化を確認した。MAGP-1阻害実験では、抗MAGP-1抗体(Abcam, BD Biosciences)投与下で伸展培養した細胞について、(1)MAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1 mRNA発現量をリアルタイムPCRで、またタンパク発現量を特異抗体にてELISAおよびウェスタンブロットにて、また、配列規則性を免疫染色とImageJによる面積定量によって評価、さらに、(2)抗MAGP-1抗体未投与下では、TGF-βが培養上清に検出されないこと、細胞のSMAD-2/3リン酸化とⅠ・Ⅲ型コラーゲン産生が(2)と比較して抑制されていることを証明した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度の当初計画通り、In vitro研究は、ICRマウス口蓋線維芽細胞ヒト胎児肺線維芽細胞IMR-90を使用し、細胞伸展装置専用Ⅳ型コラーゲンコートチャンバーにてα-MEMで通常培養、ならびにSTB-140にて細胞伸展培養に成功した。微細線維成分分析では、微細線維成分MAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1 mRNA発現量をリアルタイムPCRで、またタンパク発現量を特異抗体にてELISAおよびウェスタンブロットにて分析した。また、配列規則性を免疫染色と染色領域のスキャン・ImageJ(National Institutes of Health, Bethesda, MD)による面積定量によって評価した。TGF-βの培養上清および細胞における存在、また細胞のSMAD-2/3リン酸化を確認した。MAGP-1阻害実験では、抗MAGP-1抗体(Abcam, BD Biosciences)投与下で伸展培養した細胞について、(1)MAGP-1, Fibrillin-1とEMILIN-1 mRNA発現量をリアルタイムPCRで、またタンパク発現量を特異抗体にてELISAおよびウェスタンブロットにて、また、配列規則性を免疫染色とImageJによる面積定量によって評価、さらに、(2)抗MAGP-1抗体未投与下では、TGF-βが培養上清に検出されないこと、細胞のSMAD-2/3リン酸化とⅠ・Ⅲ型コラーゲン産生が(2)と比較して抑制されていることを証明した。以上より、当初計画は予定通り完遂し、次年度計画に入ることが出来た。
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