本研究では、幼児期から児童期にかけて子どもの嘲笑理解がいかに発達するか、笑いの不愉快さの理解課題を作成し、得られた結果を他者感情理解および高次の心の理論との関連から検討した。 年長児から小学1年生にあたる6歳から7歳にかけて、高次の心の理論の理解が進み、笑いの攻撃的な意図を読み取るようになる可能性が示唆された。また、失敗を笑われた後の感情について、「笑われて悲しくて泣く」ということだけでなく、悲しみ以外の感情を笑われたことに関連付けて予想するようになる傾向もみられた。これらの結果から、幼小接続期におけるの笑いの不愉快さの理解を踏まえ、「笑い」を用いた道徳教育について提案した。
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