Si基板上に配向制御層件電極としてLaNiO3(LNO)を200 nm積層した上に,応力制御層として熱膨張係数の大きな(La,Sr)CoO3(LSCO)の積層数を変化させて堆積させた.この上へPMN-PTを600 nm積層させた.この結果,LSCOの積層数が0層から8層まで増加するにつれてPMN-PTの残留分極値及び飽和分極値ともに増加した.一方でLSCOの積層数が8層と10層では強誘電特性には変化はなかった.すなわち,熱膨張係数差による強誘電特性の増加には,ある圧縮応力値以上になるとそれ以上分極値が増加しない,もしくはある応力値以上の応力はPMN-PTに印加されないという知見が得られた.
|