研究実績の概要 |
今年度の研究実績は、ロシア現地での史料収集、学会報告(国内・海外)、単著刊行である。史料収集はモスクワ、ハバロフスクの公文書にて抑留に関係する史料を収集した。学会報告は、まず、第51回軍事史学会年次大会「復員・引揚・抑留」にて「シベリア抑留はロシアでどのように研究されているのか」というテーマで報告を行った。第10回ウランバートル国際シンポジウム「ユーラシアにおける日本とモンゴル」では「ソ連政府による日本人捕虜への政治教育」を、日本国際政治学会2017年度研究大会分科会日本外交史Ⅰ「公文書に基づく日ソ外交」では、「「シベリア抑留」の発生―関東軍兵士のソ連移送と配置」というテーマでそれぞれ報告を行った。その他、シカゴのAssociation for Slavic, East European, and Eurasian Studies, 49th annual ASEES conventionに参加し、ラウンドテーブル“A Path to the Cold War in East Asia”を発表し聴衆者との積極的議論を行った。日露歴史会議では、"One and a Half Centuries History of Japan and Russia: The Epoch of Great Transformations" のテーマのもと、"The “Thaw” and reforming attempts in the USSR during the Cold War" について報告を行った。 また、軍事史学第53巻3号ではドイツ人捕虜問題の専門家であるフセヴォロドフの「ソ連におけるドイツ人捕虜 一九四一~五八年 ―歴史とその記憶―」を翻訳した。 そして一連の研究成果をまとめた単著の刊行にも成功し、『シベリア抑留-米ソ関係の中での変容』岩波書店より発表することができた。
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