本研究は、従来の先行研究を見直し、「シベリア抑留」を冷戦期のパワーオブポリティクスの側面から考察することを最終目標としたものであった。研究実施時に重要視したのは、海外での一次史料の収集と史料の読解及び分析。ロシアでの史料調査は、公文書館の様々な事情により調査に限界があったものの、研究成果の一部は、国内外の研究会や学会で発表しただけでなく、単著の刊行も行った。ソ連における外国人捕虜問題の国際会議を企画し、学際的な国際交流を図ったことも成果の一つ(2017年2月、法政大学)。会議の反響は高く、学者間だけでなく、ジャーナリストや一般参加者に対しても抑留史の社会的認知度の向上に貢献できたと言える。
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