複雑な自然情景から人物を認識することは、発達初期において非常に重要である。我々成人は、異なる自然場面から得られた人物の顔や身体などの情報を統合・般化することで、人物認識を達成している。しかし、この能力の発達と、それを支える顔と身体情報の脳内処理については未検討である。そこで本研究計画では、遠方からの接近する人物を再認できるか(研究1)、顔と身体観察時の脳活動(研究2)を検討した。 一連の研究の結果、生後7ヶ月頃から人物に関する記憶を異なる場面に般化し、遠方から接近する人物を認識できること(研究1)、顔と身体に対する側頭領域の感受性が発達によって変化する可能性(研究2)が示唆されている。
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