原子力発電サイクルによって生じる高レベル放射性廃液の分離変換技術の開発に向けて、マイナーアクチノイド(MA)の効率的な分離が求めれている。本研究では、MAの化学結合評価という観点から、MAとランタノイド(Ln)の分離メカニズムを解明し、高い分離性能を有するMA/Ln分離試薬を計算化学的に分子設計した。 分光パラメータや抽出実験に基づいて計算手法を確立し、化学結合解析を行った結果、MA/Ln選択性はf軌道電子の結合重なりに強く相関することを明らかにした。この手法をもとに、新規分離試薬をデザインし、分離性能を予測した結果、従来の試薬より分離性能が大きく改善することが示唆された。
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