タマネギの可食部であるりん茎の肥大は、生産に直結する最も重要な要因の1つであるが、りん茎の肥大機構に関する研究は十分とは言えない。本研究で早晩性の異なる品種を露地で同時に栽培し、生育およびりん茎肥大の様相を比較した結果、春まき栽培では生育途中までの生育に品種間で差がほとんどないこと、および晩生の品種ほど葉の展開停止が遅く、りん茎重が大きいことが明らかとなった。またりん茎は積算温度に比例して大きくなるが、一定の温度を超えると早期に肥大開始し、収穫時の大きさが小さくなることを明らかにした。さらにりん茎肥大を開始した個体と開始前の個体の遺伝子発現を網羅的に解析し、発現に差のある遺伝子を見出した。
|