本研究は理化学研究所の稀少RIリングにおける質量精密測定を実現するための位置感応型ショットキーピックアップの開発である。測定した質量はRプロセスの経路決定に寄与する。質量の決定精度はリング内の等時性の出来具合に依存しており、現状の等時性の達成度では不十分であった。本研究ではワークステーション等の環境を整備し、等時性の微調整に使う新型ショットキーピックアップの開発を進めていたがビーム試験を行うには至らなかった。しかし、既存のショットキーピックアップを用いた等時性の調整手法により、リング内の等時性の達成度をこれまでの10倍向上させることに成功した。これは質量精密測定の実現につながる成果である。
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