植物二次代謝産物であるグルコシノレート(GLS)は、外敵に対する化学的防御物質であると同時に、植物自身の生命活動を制御するシグナルとしてもはたらくと考えられている。本研究では、GLSの多機能性と、一個体あたり20種類にも及ぶ側鎖構造の多様性との関係を明らかにすることを目指した。様々なGLSで処理したシロイヌナズナ実生のトランスクリプトームを比較解析し,「GLSに幅広く保存される機能」と,「特定の側鎖構造をもつGLS分子種のみが示す機能」に関する知見を得た。また、安定同位体標識GLSを合成し、LCMSを用いた代謝物解析から、細胞内で活性発現の起点になると考えられる新しい分解経路を見出した。
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