研究課題/領域番号 |
16H07455
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
沖田 祐介 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 義肢装具技術研究部, 流動研究員 (00784357)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 大腿義足 / 膝継手 / イールディング / 三次元動作解析 / 高機能膝継手 |
研究実績の概要 |
7名の大腿義足使用者を対象に、非電子制御イールディング膝継手のイールディング機能を使用した場合と使用できない状態にした場合の動作評価を行い、イールディング機能が移動動作にもたらす力学的影響を評価した。
イールディング膝を用いた階段の交互降段時(7名中3名が可能)の義足足部接地方法や荷重量を評価し、義足足部の階段に対する相対的な接地位置(後足部から足長の1/3程度が段上に乗る)や非切断側接地時に生じる荷重量(体重の2倍前後)が明らかとなった。また、得られた情報から、切断者の降段動作をより健常者に近づけるという観点では膝継手だけではなく足部機能が重要であると考える。これらの結果は大腿義足使用者が新しく階段の交互降段を習得する際の指導にも活用可能であり、学会発表と国際誌への論文投稿まで至った。
下り坂歩行ではイールディング機能の使用に伴い義足側の荷重量が増大する傾向が見られる一方で、膝継手選択の決定因子となり得る健側(非切断側)に対する負荷の変化は個人差が大きく、イールディング膝継手の使用による健側下肢への負荷の変化は切断者の義足習熟・使用状況や使用環境(傾斜の程度など)に依存するものと考えられた。イールディング膝継手の適応判断に当たっては、切断者の義足使用環境に応じた動作指導、各部品に期待される効果が得られているかの個別評価、義足制作後の使用状況の継続的な確認が重要であると考えられた。上記の成果についても学会発表、論文投稿の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理審査、計測環境整備を経て切断者の計測を開始し、7名のデータを得ることが出来た。学会発表・論文作成も進められている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は非電子制御膝継手を使用した計測と結果の解析を終え、得られた成果に関する学会発表、論文投稿を進める。また、電子制御イールディング膝を用いた試用評価研究の準備を開始し(膝継手のリース開始と動作確認、倫理委員会申請・計測環境の整備・事前の計測練習と解析方法の確認)、倫理委員会による承認が得られた後に参加者のリクルート・データ収集を開始する。
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