研究課題/領域番号 |
16H07464
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
友滝 愛 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 助教 (50621835)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | 専門看護師 / 科学的根拠に基づく実践 / 教育プログラム / 開発 / 生涯学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である「専門看護師(Certified nurse specialist(CNS))を対象とした科学的根拠に基づく実践(Evidence-based practice(EBP))のための教育プログラムの開発」について、今年度は①CNSへのインタビューを行い、EBPの阻害要因を取り除き、促進するための具体的なニーズを抽出、②「文献を批判的に吟味したうえで、実践にエビデンスを活かし、その実践を評価する」というプロセスまでを含み、個人のスキルと組織マネジメントを統合した体系的な教育プログラムの開発、について取り組んだ。 ①の「CNSへのインタビューを行い、EBPの阻害要因を取り除き、促進するための具体的なニーズを抽出」は、平成28年11月から平成29年2月までに、CNS・14名(CNSの専門分野:9分野、関東・東北地方在住)に対してインタビューを行った。このうち、平成29年1月までにインタビューを行った5名については、先行してデータ分析を行い、平成29年開催予定の学会への演題登録、および、ポスター発表の準備を進めた。 ②の「「文献を批判的に吟味したうえで、実践にエビデンスを活かし、その実践を評価する」というプロセスまでを含み、個人のスキルと組織マネジメントを統合した体系的な教育プログラムの開発」は、既存のEBP教育や先行研究のレビュー、研究協力者との検討を重ね、プログラム案の開発、プログラムで使用する教材・調査票・プログラム評価表のドラフト版を作成した。またプログラム案に従って、デモンストレーションを行った。そして、平成29年度実施予定のプログラムの実施(介入研究)のための研究計画書の作成および研究倫理審査の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は2年計画の1年目で、初年度は①CNSへのインタビューを行い、EBPの阻害要因を取り除き、促進するために求められる具体的なニーズを抽出する、②海外のEBP教育を参考に、日本の専門看護師を対象とした文献の批判的吟味と現場への実践・評価のための教育プログラムを構築する、③介入研究実施のための準備を行う、の3つを計画し、全てについて、概ね計画通りに進捗した。 ①のインタビューについては、インタビュー協力の同意とインタビューの実施は、当初予定していた対象者数を達することができた。なお、一部の対象者については、実際のインタビューは平成29年度中に実施する予定である。 ②のプログラム開発については、平成28年度中に教育プログラム、プログラムで使用する教材、評価で使用する調査票等のドラフト版が完成し、研究倫理審査の研究計画書とあわせて、当該分野の専門家のレビューを行っている最中である。 ③の介入研究の準備は、デモンストレーションの実施等を行いながら、現時点で可能な準備は進めている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、本研究の最終年度であり、当初の予定通り、①教育プログラムの対象者であるCNSを対象に、教育プログラムによる介入を行う、介入の前後で評価を行う(プレ・ポストデザイン)、②本研究の成果を実際に臨床現場で活用できるよう、本研究の成果をwebsiteで公開する予定である。 ①の「教育プログラムの対象者であるCNSを対象に、教育プログラムによる介入」の症例数は、研究代表者が所属する組織の研究倫理審査において、本介入研究の承認が得られ次第、対象者の募集、介入研究(教育プログラム)の実施・評価を行う。 また、この介入研究の対象者数について、平成28年度に実施したインタビュー対象者の調査結果を考慮して、サンプルサイズ設計を再度行った。その結果、研究計画当初は40名を予定していたが、対象となるCNSは15名前後に変更となる予定である。ただし、CNSの置かれている環境やプログラムの汎用性を鑑み、対象者の条件を「一定条件を満たすことができれば、CNS以外もこのプログラムへの参加自体は可」と変更する予定で、全体として40名程度が見込まれる。 ②の「本研究の成果をwebsiteで公開」については、平成28年度に開発した各種教材と連動する形で開発を進め、平成29年度に実施する教育プログラムの内容を、最終的にwebsiteへ反映させる予定である。
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