本研究は「専門看護師(Certified nurse specialist(CNS))を対象とした科学的根拠に基づく実践(Evidence-based practice(EBP))のための教育プログラムの開発」として、今年度は、(1)CNSを対象としたインタビューの分析、(2)教育プログラムの実施、(3)研究報告会等の開催、に取り組んだ。 (1)CNSを対象としたインタビューの分析:平成29年1月までにインタビューを終えた5名について、EBPの捉え方、実践で文献を利用するときの例、EBPの過程における取組の実際、EBPの促進要因、文献の批判的吟味に関する養成校の環境を検討し、学会ポスター発表で報告した。協力が得られた14名の全データで、引き続き分析を行っている。 (2)教育プログラムの実施:研究倫理審査の承認後、9グループ26名に対し、グループごとにワークショップを開催した(開催地は東京・広島・山形)。参加者の内訳は、本研究対象のCNSは11名(CNSの専門分野はがん、小児、慢性疾患、急性・重症患者、母性、感染)で、それ以外では大学教員・研究員のCNS、CNS候補生、認定看護師、スタッフナース(院卒含む)、臨床教員であった。参加の動機・目的は、「量的研究の文献の批判的吟味の知識・スキルの習得」や「参加メンバーへの学習機会の提供」であった。本プログラムはModule1~3で構成され、7グループで全プログラムを終了した。2グループは今後Module3を実施予定である。3ヵ月後フォローアップ調査終了は3グループで、今後順次フォローアップ調査を行う。 (3)研究報告会等の開催:本研究の結果の一部について報告等を行った。大学教員・CNSを含む臨床看護師・大学院生等約25名が参加し、本テーマに関し参加者同士の意見交換を行った。また「臨床看護師のEBPに関する研究倫理セミナー」を開催した。
|