研究課題/領域番号 |
16H07476
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
岩山 海渡 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (30781249)
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研究期間 (年度) |
2016-08-26 – 2018-03-31
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キーワード | グリコーゲン / 炭素磁気共鳴分光法 |
研究実績の概要 |
グリコーゲンは主に骨格筋や肝臓に貯蔵されており、持久的運動パフォーマンスに関連することが知られている。そのため、骨格筋及び肝臓のグリコーゲンの変動を評価することは競技力を向上させるトレーニングや栄養摂取戦略を考えるために重要となる。 骨格筋のグリコーゲンを評価する方法として組織を直接採取する筋生検法が実施されてきたが、侵襲的であり対象者の負担が大きい方法であった。また肝臓の組織を採取する肝生検法に関してはヒトを対象とすることが困難であり、限定的な知見にとどまっていた。 炭素磁気共鳴分光法は非侵襲的にグリコーゲン濃度を評価することが可能であり、これまで骨格筋のグリコーゲンの変化に関する検討を行ってきた。一方、肝臓のグリコーゲンを評価する方法は確立されておらず、肝臓のグリコーゲンを含めた検討はできていなかった。炭素磁気共鳴分光法を用いた肝臓のグリコーゲンを定量する方法を確立できれば、運動とグリコーゲンとの関係の統合的な理解が可能になると考えられる。 H28年度の上半期において、既に方法論を確立している骨格筋グリコーゲンの評価方法をもとに、ヒト及び基準溶液のグリコーゲンを用いて、肝臓のグリコーゲン濃度を評価するための設定条件を検討した。検討にあたっては、積算回数、フリップ角度、コイルの径、繰り返し時間を変えながら様々な組み合わせによって検討し、安定したピークを得られる条件を決定した。 その後、肝臓グリコーゲンの日内変動を検討する研究を実施する予定であったが、研究代表者が不慮の事故により負傷し、回復を待たざるをえない状況となったためH29年度に課題を持ち越すこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成28年11月、不慮の事故により右鎖骨遠位端を骨折した。受診した医師から加療のために12週間を要すると診断され、安静を指示された。このことにより当該年度に実施予定であった研究を進めることができず、予定より遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
事故により実施予定時期を大きく遅らせなければならない状況となったため、次年度の研究開始も遅れることとなる見込みである。H29年度の可能な限り早い時期にH28年度に実施予定であった研究1を開始し、H29年度に予定していた研究2は下半期の間に実施することで当初の予定期間内に完了させる。そのためには研究1の実施と平行して研究2の準備に取り掛かることが求められる。
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