ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)は細胞質内のタンパク質の脱アセチル化を担う酵素であるが、近年の病理学的な研究から、タンパク質の異常凝集を特徴とする神経変性疾患(プロテイノパチー)の発症に関与していることが示唆された。本研究ではプロテイノパチー研究のための、陽電子断層撮像装置(PET)用HDAC6イメージングプローブの開発を目的とした。結果、2種類の放射性同位元素標識プローブを合成できた。一方で生物学的評価の結果から、これら化合物は脳内移行性が低いことが明らかとなり、血液脳関門透過性を改善する構造最適化の必要性が示唆された。
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