本研究は、鎌倉時代~南北朝時代におけるやまと絵の様式展開について考察することを目標とした。制作年が明らかになっている基準的な作例(おもに絵画)を中心に作品調査を実施し、法量の測定、絵画技法の目視による観察等を行った。 調査対象作品のジャンルは、仏画、垂迹画、肖像画など多岐にわたった。この多様性は本研究課題の特徴ではあるが、それゆえに、考察を行うための十分な調査数を研究期間内に確保できない結果にもなった。本研究で掲げた課題は、「鎌倉~南北朝時代における絵所の並立と絵師の交流をめぐる調査研究」(18K12251)で継続して検討することになる。
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