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2016 年度 実績報告書

粘膜ウィルス感染に対する末梢組織免疫制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H07504
研究機関国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所

研究代表者

飯島 則文  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 アジュバント開発プロジェクト, サブプロジェクトリーダー (40612552)

研究期間 (年度) 2016-08-26 – 2018-03-31
キーワード粘膜免疫
研究実績の概要

本研究では、性感染症を引き起こすことが知られている性器ヘルペス (Herpes simplex virus-2; HSV-2) 感染に対する生体防御機構の解明を目指しており、ウィルス再活性化が再発を繰り返すことで患者のQOLを著しく低下させることが問題となっている。また、他の性感染症を誘導する病原体の侵入や病態発現に大きく関与しており、宿主の生体防御機構の仕組みを理解することが新たな治療方法の開発に繋がると考えられる。昨年度までに、HSV-2 膣感染 5 週間後のマウス膣粘膜組織には、組織局在型 CD4 陽性メモリー T 細胞や抗原提示細胞を中心とした凝集塊 (クラスター) が膣上皮粘膜組織に接触する形で形成していることを見出している。そこで、このようなクラスターがどのように維持されているのか作用機序について解析を行った。HSV-2 感染 5 週間後のマウス膣粘膜組織では、ウィルス産物は検出されず、ネスティッドPCR法を用いて、詳細にウィルス遺伝子の転写産物の同定を試みたが、検出されていない。また、ヘルペスウイルスはその遺伝子の発現が三段階に分かれており、HSV-2 が神経に潜伏感染している間に発現が認められるウィルス産物 LAT も現在のところ検出されていない。クラスターには、HSV-2 特異的CD4 陽性 T 細胞受容体 Vb1 を発現するメモリー T 細胞が凝集していることを明らかにしているが、現在のところ、どのウィルスタンパク質を認識するか解析中であるが、同定までには至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28 年度に予定していた HSV-2 感染 5 週間後の膣粘膜組織からRNA を調製し、遺伝子解析を進めており、ウィルス由来の転写産物の解析が実行できている。しかしながら、HSV-2 感染 5 週間後の膣粘膜組織から様々な細胞をフローサイトメトリーにより分画し、発現する遺伝子群の解析を行う予定であったが、機械やRNA 調整の条件検討に時間を要し、結果を得る段階までには至っていない。

今後の研究の推進方策

膣粘膜組織に形成される組織局在型 CD4 陽性メモリー T 細胞やクラスターの維持機構を解析するために、組織局在型 CD4 陽性メモリー T 細胞と上皮細胞や線維芽細胞との相互作用について検討する。相互作用に重要な遺伝子が同定された場合は、遺伝子欠損マウスの作製を行う。また、ウィルス産物がクラスターの維持機構に関与しているか明らかにするために、膣粘膜組織及び局在する細胞群に焦点を当てて、さらに発現する遺伝子群の解析を進める。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Access of protective antiviral antibody to neuronal tissues requires CD4 T-cell help.2016

    • 著者名/発表者名
      Iijima N & Iwasaki A
    • 雑誌名

      Nature

      巻: 533 ページ: 552-556

    • DOI

      10.1038/nature17979.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Divergence of helper, cytotoxic, and regulatory T cells in the decidua from miscarriage2016

    • 著者名/発表者名
      Ebina Y, Shimada S, Deguchi M, Maesawa Y, Iijima N, Yamada H.
    • 雑誌名

      Am J Reprod Immunol.

      巻: 76 ページ: 199-204

    • DOI

      10.1111/aji.12546.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] メモリーリンパ球クラスターに局在するメモリーCD4 陽性T 細胞の重要性2016

    • 著者名/発表者名
      飯島則文
    • 雑誌名

      「感染・炎症・免疫」

      巻: 45 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] 感染防御に働く抗ウィルス抗体が神経組織へ移行するためには CD4 陽性 T 細胞のヘルプが必要である2016

    • 著者名/発表者名
      飯島則文
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 66 ページ: 633-640

  • [学会発表] Peripheral Immune protection in the peripheral tissues against mucosal herpes infection.2017

    • 著者名/発表者名
      Iijima N
    • 学会等名
      東京大学医科学研究所 共同拠点研究事業 平成 28 年度若手研究者シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学医科学研究所
    • 年月日
      2017-02-17 – 2017-02-17
  • [学会発表] Access of protective antiviral antibody to neuronal tissues requires CD4 T-cell help.2017

    • 著者名/発表者名
      Iijima N
    • 学会等名
      Neuroimmune Communication in Health&Disease Gordon Research Conference
    • 発表場所
      Ventura, CA, USA
    • 年月日
      2017-01-15 – 2017-01-20
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Peripheral Immune protection in the peripheral tissues against mucosal herpes infection.2016

    • 著者名/発表者名
      Iijima N
    • 学会等名
      Japanese Society for Immunology
    • 発表場所
      沖縄 那覇
    • 年月日
      2016-12-05 – 2016-12-07

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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